チャンスの神様
1月15日放送の
「5時ナビ道新ニュース」で
プロ野球・中日にドラフト5位指名で入団した
北照高校出身、高橋幸佑投手の
インタビュー企画を放送しました。
内容はこちら
↓
https://www.youtube.com/watch?v=W9zPyXk1jC0
まだ雪の降り始めだった
去年12月初めに学校を訪問し
後輩たちに混じってのトレーニング後に
話を聞いて思ったのは
やはり、プロのステージに進むだけの
いくつかの「才能」に恵まれている、
ということです。
まずは企画内でも紹介した
入学以降地道なトレーニングを続けて
投手としての「出力」を高めた
「継続する才能」、
次に、これまで一度もケガをしたことがないという
肉体への「危機察知能力」。
そして担任としても成長を見守った
上林弘樹監督が評する通りの
「素直で明るく、まっすぐな性格」。
さらに、最も強く感じたのは
「チャンスで最高の力を出せる」能力です。
高橋投手の転機となったのは
去年4月の「U18侍ジャパン候補強化合宿」
への参加でした。
わずか2回1/3しか投げなかった
(しかもサヨナラ負けでの敗戦投手)
2年秋の全道大会での投球が
北海道高野連の関係者の眼に止まり
同合宿へ推薦されたのです。
本人も、周りの誰もが「嘘だろ」と口にした
サプライズの選出でした。
全国から集まった
世代を代表する有名選手たちに混じり
北海道から来た無名の左腕はしかし、
ここで「人生で最高の集中力」を発揮します。
ブルペン投球では自己最速の146キロをマーク、
紅白戦では2回3奪三振の無失点投球。
その無双ぶりに
会場に集まっていたプロのスカウトたちから
「あのピッチャー、何者だ!?」とざわめきが起き
こぞってバックネット裏に移動し
食い入るように投球を見入りました。
無名左腕からドラフト候補へ。
高橋投手の運命が大きく動いた瞬間でした。
「今振り返るとあれが
"ゾーン"っていうやつですね。
ただ、なんであんな力が出せたのか、
自分でもよくわからないです」
と振り返った高橋投手。
これこそが、「上へ進む者」が持つ
特別の才能でしょう。
ファイターズの新庄監督の言葉を借りれば
「努力は一生、勝負は一回、チャンスは一瞬」。
一回の勝負、一瞬のチャンスに
最大限の力を発揮することのできる能力。
私ごとですが、30年以上前、
アナウンサー試験を受けまくっていた
(そしてことごとく敗れ去っていた)
ときに、恩師が教えてくださった
金言を思い出します。
「チャンスの神様には、前髪しか生えていない。
自分の前に迫ってきた一瞬を
逃さず手を伸ばさないと、その前髪はつかめず、
一度逃したら、もう二度とつかめない。
いつ現れるかわからない
チャンスの神様の到来を信じて
つかむ準備を怠らないものだけが
その前髪をつかめるんだ」
合宿参加当時は17歳だった高橋投手は
まぎれもなくその能力を持ち、
ここぞの場面で、その能力を発揮したのです。
ドラゴンズファンの方なら
当然ご存じかと思いますが
歴代、中日のドラフト5位は
「当たり順位」と言われています。
通算219勝、50歳まで投げたレジェンド
山本昌さん(1983年5位)、
ゴールデングラブ賞7回の名手、
井端弘和・現侍ジャパン監督(1997年5位)を双璧に
球団史に刻まれる選手が
ドラフト5位から生まれてきました。
高橋投手に尋ねると
「名古屋のメディアの方から聞きました。
地元のテレビ番組で山本昌さんと共演して
『僕も5位だった、頑張って』と
激励されました」とのこと。
この歴史の継承者となることを願っています。
チャンスは、必ず来るはず。
その神様の前髪を、逃さずとらえることを
祈ります。
この2ショット画像がいつの日か
「お宝」になりますように...。