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まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

勇往邁進の前人未踏

プロ野球・ファイターズの宮西尚生投手が

8月4日のソフトバンク戦で

通算400ホールドを達成しました。

   

プロ入りから17年、リリーバーひと筋に

チームの勝利を左右するしびれる場面で腕を振り続け

3度のヒジの手術という代償を払いながら達成した

偉大な記録です。

  

歴代2位は273ホールド(山口鉄也・巨人)ですから

その記録がいかに突出しているかがわかります。

  

宮西投手は入団時から度々取材をさせていただき

色々な話を聞かせてもらいました。

勇往邁進.jpg

2018年制作の特別番組ではロングインタビューも収録しました。

   

また、北海道新聞で書いていたコラム

「Go!Go!ファイターズ」(昨年末で終了)でも

たびたび取り上げさせていただきました。

    

2018年7月の担当回の下書きから

宮西投手にまつわるエピソードを紹介します。

7月7日に通算274ホールドを達成し、 NPB歴代1位となった宮西投手。

日本球界の「中継ぎ投手の頂点」に立った左腕はしかし、

高校(市立尼崎高)入学当時は、 100㌔そこそこの球速しか出なかったそうです。

また1年先輩には、のちに希望枠で巨人に入団した 金刃憲人投手(※補足1)

という、 絶対的なエースがいました。

  

宮西投手の高校野球生活は、 少なくともその時点では

歴然とした差があった先輩の背中を追うところから始まり、

そしてその背中は、客観的にも当時の宮西少年の目からみても、

遥か彼方にあったはずです。

      

今も同校で指導する(※補足2) 恩師・竹本修監督は

「金刃がダイヤモンドなら、宮西は石炭」

と二人を表現した上で、こう続けます。

「でも石炭は、磨くとすごくきれいな、黒くて強い輝きを見せる。

金刃に追いつきたい気持ちが、その輝きを生みだしたんです」。

さらに竹本監督は

「宮西は、自分の現在地がよくわかっている投手でした」

とも言います。

「目指す自分になるために、 どういう努力が、どれくらい必要かを把握でき、

かつ、自分で決めた努力をやり続ける 意志の強さがあった。

身体能力が一緒でも、考え方や気持ちの持ち方で、

成長の度合いは大きく変わるんです」

竹本監督はこの話を、 現在の教え子たちによくしているそうです。

   

毎年、オフは母校での自主トレを 慣例にしている宮西投手。

その姿を憧れのまなざしで見つめる現役部員たちに、

「でも入学した時は、100㌔ぐらいしか出なかったんだぞ」

と竹本監督が言うと、皆驚くそうです。

「高校球児に勇気を与える存在ですよ」

恩師は目を細めます。

(※補足1)立命館大→巨人(2007~12年)→楽天(13~17年)。

      プロ通算(10年)成績は216試合登板、17勝17敗 36ホールド。

(※2)当時。現在は退任しています。

   

目指す自分になるために、 どういう努力がどれくらい必要かを把握し、

自分で決めた努力をやり続ける―。

その姿は宮西投手の座右の銘

「勇往邁進」を体現したものであり

その積み重ねによって成し遂げられた

「前人未踏」の記録と その道のりに対して

心から敬意を表します。