球体を巡る冒険
7月が終わります。
公私で本当に慌ただしく
かつ密度の濃い1カ月でした。
若い頃、すなわちまだ人生経験の浅い頃は
やることなすこと初めてのことが続いて
「あ~今月は濃い1カ月だったなあ」
と思うこともありましたが
この歳になると、なかなかそういうことはない。
そういう意味では新鮮で
心の奥のほうから熱いものがこみ上げる経験ができました。
(もれなく肉体的な疲労はついてきましたが
...これもまた宿命です)
そんないろいろなことのうちの
一部にタイトルをつけるとするなら
「球体を巡る冒険」。
最初の冒険は、7月16日。
直径およそ73ミリ、重さおよそ145グラムのボールを投げて打つ、
プロ野球・ファイターズ戦の実況。
延長10回、4時間ちょうどのロングゲームの末
ファイターズが劇的サヨナラ勝ち。
解説の鶴岡慎也さんが
「今シーズン一番の試合かも」と思わずつぶやいた
大熱戦でした。
実況者は試合を選べるわけではなく
いかなる展開も受け入れてしゃべるものですが
こんな試合にめぐり合えると
最高のご褒美をもらった気持ちになります。
まさに、アナウンサー冥利に尽きる一夜でした。
続いての冒険は
直径1.68インチ(42.67ミリ)、重さおよそ46グラムのボールを打つ、ゴルフ。
7月20日に放送されたのは
「オホーツクシニアオープンゴルフ 佐川印刷杯」の模様をしゃべりました。
網走の「オホーツクカントリークラブ知床コース」に
名だたる国内トップシニアゴルファーが集った大会。
オホーツクの爽やかな風と深い緑の中
心の洗濯をしたような心地よさが今も印象に残っています。
そして第三の冒険は
7月21日に取材し、31日の「5時ナビ道新ニュース」で放送した
「ペタンク体験」。
ペタンクは南フランス発祥で
かの国ではは競技人口500万人以上という国民的スポーツ。
「パリ以外の街ではオリンピックを観るより
公園に行ってペタンクの球を投げている人のほうが
多いんじゃないでしょうかね」と
彼の地で暮らしたことのある方が笑って話すほど
生活に根差しているそうです。
こちらで使うボールは
直径が7~8センチ、重さは650~800gの
鉄、またはステンレス製。
けっこうずっしりしていますが
腕を前後に振った反動を利用するので
思ったほど力は必要ありません。
手軽だけど戦略性が高く、
何よりナイススローを決めたときに
心地よい達成感が味わえる、奥深いスポーツです。
球体のものを使って遊ぶ、あるいは競うという行為の起源は
5000年前にまでさかのぼると言います。
それほど人類にとっての本能を揺さぶる
魅力があるということです。
そしてそれだけ魅力があるからこそ
「伝える」役割が成り立ち、
私たちはその恩恵を受け、
生業にすることができているといえます。
そう思えたことが
2024年7月の実りの一つでした。
改めて、心に刻まれる1カ月。
今月経験したこと、抱いた感情は
忘れることはないでしょう。