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まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

本能を揺さぶる雪球

2月21日の「5時ナビ道新ニュース」の企画で

「スポーツ雪合戦」を放送しました。

制作の背中を押したのは、あるスポーツライターの書いた記事。

「雪合戦は人を狂わせる―」

という物騒なタイトルの記事で

興味に拍車がかかりました。

体験④.JPG

   

取材させていただけるチームを探して

あれこれコンタクトを試みましたが

シーズン中であり、かつ最も大きなタイトルがかかる

昭和新山国際雪合戦が近づいている時期でもあることから

なかなかはかどらず。

そこで「ダメでもともと」と

去年の同大会の優勝チーム(一般の部)にして

歴代最多の5度の優勝を誇る、

「でぃくさんず神出」のメンバーが勤務する

千歳の住宅メーカー「ecoaハウス」さんに

問い合わせたところ

意外なほどあっさりOKをいただき

頂点に君臨する「史上最強チーム」の練習の現場に立ち会うという

貴重な機会をいただくことになりました。

GS.JPG

 

仕事を終えたメンバーたちが練習を始めたのは夜7時過ぎ。

凍てつく寒さでしたが、

試合形式の攻防を繰り返すと

体の内側から熱が湧きます。

練習なのでテニスボールを使用しましたが

専用の製造器で作られる試合用の雪球は

硬式の野球ボールと変わらない固さと重さ。

これが身体に当たったらと思うと

もはや「雪合戦」の言葉で思い浮かぶ

遊びのイメージは吹き飛びます。

 

シェルターと呼ばれる壁に身を寄せ

懸命に球を避けるのですが

体験①.jpg

ロブと呼ばれる高い放物線を描いて落下する球も

視界の外から降ってくる。

体験⑥.JPG

よそ見厳禁にして、視野を広く持たねばならず

集中力とフットワークが求められる。

1セット3分という時間を「生き延びる」のは至難の業。

本当に高度なスポーツです。

転倒.JPG

  

甲子園に出場したメンバーもいる

野球経験者で構成する「でぃくさんズ神出」。

体力、運動神経には自信があったそうですが

昭和新山国際雪合戦初優勝までには

12年の歳月を要しました。

「高度な戦略を一瞬の判断力で遂行する経験と

全員は同じ方向を向いて戦うチームワークがないと

頂点には立てない」と教えてくれたのは

田村和宜主将。

田村主将と2S.jpg

雪合戦の日本代表にも選出されたプレーヤーです。

  

昭和新山国際雪合戦の実行委員長である

壮瞥町の阿野裕司さんは

雪合戦の本質をこう語りました。

「雪を見たこともない

冬の壮瞥町を訪れた東南アジアからの観光客が

雪を丸めて投げ合って遊び始めたんですよ。

それを見て『雪合戦は、人間の本能を揺さぶるものなのかも知れない』

と思ったのが、

昭和新山国際雪合戦を始めるきっかけでした。

当てれば気持ちいいし、ぶつけられれば悔しい。

アドレナリンが出る競技なんですよ」

これが先のスポーツライターが記した

「人を狂わせる」という表現の源なのだと実感しました。

  

コロナ禍で3年間中止を余儀なくされた

昭和新山国際雪合戦。

今月24、25日に行われた第35回大会が

再開2年目でした。

規模を縮小して行った前回大会から

出場チーム数も回復傾向にあり

「壮瞥町の宝」と阿野委員長がいう大会は

再生への道を歩み出しています。

  

連覇と、通算6度目の優勝を目指した

「でぃくさんズ神出」は一般の3位。

決勝に勝ち上がったチームのみが立てる、

昨年は作られずに終わった

雪合戦界最高の舞台「センターコート」に

立つことはできませんでした。

  

群雄割拠。しかしそれこそが

コロナで受けたダメージから隆盛を取り戻す

過程を表す姿だとするなら

その通りの結果だったのかも知れません。

いやいや、奥の深い世界です。

できるものなら、実況してみたいです。

...動体視力が追いつけるか、自信が持てませんが。

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