いざ、けん玉
札幌も冬が本格化し、
外に出るには気合いが必要な季節が
今年もやってきました。
これはこれで嫌いではないのですが
運動不足になりがちなのは
偽らざる事実です。
そんな冬におすすめなものとして
今回「5時ナビ道新ニュース」の企画で
「けん玉」を取り上げました。
なぜ、けん玉だったのか。
きっかけは刺激的な名前の
ある大会の存在を知ったからです。
その名は「全日本けん玉道もしかめ選手権」。
誤植ではありません。けん玉のあとに「道」がつきます。
そして「もしかめ」。
この語感のギャップに引き寄せられてしまいました。
大皿と中皿を往復させる技「もしかめ」を
ひたすら続けて、その時間を競う。
そこに漂う空気は
「けん玉=玩具」というのどかさは皆無。
うかつに足音を立てたり声を上げてはいけないような
凛とした緊張感の中
皿に玉が載る音だけが規則的に響き続けます。
「単調な技を長く続けるのには集中力が必要。
集中力は『けん玉道』の大事な要素の一つです」
日本けん玉協会北海道ブロック長の小嶌優希さんが
穏やかな口調で語れば、
「派手な技を繰り出すけん玉の世界とは違うけど
誰でもできる技を長く続ける大変さが私は好きです」
とは一般の部で優勝を飾った小坂維織さん。
こんな精神性を与えるけん玉とは、何と奥が深いことか。
貴重な経験をしました。
その翌日に取材したのが
札幌のけん玉交流サークル「スペシャルダマーズ」。
こちらは対照的に
「自由に、思い思いのやりかたでけん玉を楽しむ」。
初心者から世界大会出場者まで
老若男女が集まり、本当に好きなようにけん玉と"戯れる"。
そんなリラックスした空気の中
幼稚園のとき、クラスの仲間と比べて明らかにへたくそで
「いじやけちって」(茨城弁です)挫折したけん玉を
約半世紀ぶりに手にしました。
教えていただいた「けん玉先生」小山重樹さんの
的確な指導のおかげで
あのときのトラウマの払拭に成功!
いい年したおじさんが歓喜の声を上げても
周囲の人たちは笑顔で返してくれ
その空気に背中を押された気がしました。
「どんなにうまい人でも
小さな成功体験を重ねてその領域にいくのが
けん玉の世界。
みんなその体験があるから
成功した人に素直に
『よかったね」という気持ちを抱けるんです』
と小山さん。
他人の成功を、素直に喜べるー。
それて今の世の中、そんなに簡単じゃない。
でもけん玉の前では、自然とそんな気持ちになれる。
これまた、けん玉の持つ深みです。
適度な運動にも(これは本当に実感します)、
脳や手先の刺激にもなり
心にも作用する、けん玉。
皆様もいかがでしょう。
放送の内容はこちら。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=4Bz1r_kN3OM