リスペクトを込めて
10月4日の「5時ナビ」の企画で
「まちに笑いで潤いを 意外な店に根付く『演芸場』」
を放送しました。
常設の演芸場やホールではないけど
定期的に落語会や演芸ライブを開催している、
しかも「話芸を楽しむ空間」としては
ちょっと違和感のある札幌のお店を紹介しました。
【こちらで配信しています】↓
https://www.youtube.com/watch?v=YLCzOTe9htA&t=38s
隣から歌声が聞こえてくるカラオケ店の一室や
落語の和の空気感とはミスマッチな街のパン屋さん。
いずれも一見「話芸を楽しむ空間」らしくない場所は
演芸ファンと演者が一緒によって醸し出す
「寄席」の心地よい熱気に包まれていました。
一応、ことばを扱う仕事をしているものとして
「しゃべり一本でお客を笑わせる」ことを生業とされている
噺家さんや芸人さんには、とてもリスペクトを覚えます。
こういう小さなライブ会場に行くと、特にそれを感じます。
互いに顔の見える空間で、客と演者が向き合って
「笑わせてくれるよね」という客の期待に
演者は自分のしゃべりで応えるー。
構図としては結構な緊張感があり、またそれを楽しむ場でもある
エンターテインメントの本質を実感します。
子ども向けの「読み聞かせ」イベントで
落語の絵本を何度か使ったことがあります。↓
https://www.tv-hokkaido.co.jp/announcer/daito/2017/12/post-186.html
https://www.tv-hokkaido.co.jp/announcer/daito/2015/06/post-88.html
これは実にいい経験でした。
落語という伝統話芸の奥深さを
実際に音声にして出すことでリアルに知ることができたこと、
また子どもたちの目の輝きや表情が
自分のしゃべりで変化していく快感は
他には代えがたいものでした。
今回の企画を考えたのは、この経験が源泉になっています。
生身の人間のことばが、人の感情にポジティブな変化を与え
「聴いてよかった」だけでなく
「その場にいてよかった」と思わせる。
アナログだけど、根源的で人間臭い
そうした営みの深淵に触れたい。
この思いは成就いたしました。
おあとがよろしいようで。
...っていう締めくくりは
「次の演者さんの準備ができたようですので
私より、次の方のお話でお楽しみを」
というのが本来の意味で
「うまく話がまとまったよね」という自画自賛のために
使う言い回しではございませんので
お間違いないよう。