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まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

20年、ずっと特別な場所

今月10日、

札幌ドームでファイターズ戦の実況をしました。

放送席に座るのは、実に約2年8か月ぶり。

コロナの影響で予定されていた試合が

中止になったりして

取材用の記者席で試合を観ることはあっても

放送席で実況する機会からは

ずいぶん遠ざかりました。

   

ここから見える光景は、

私にとって特別なものです。

20年前、名古屋から北海道に移る決断をする

最大のモチベーションは

「この場所からプロ野球をしゃべること」

その一点だったと言っても過言ではありません。

   

幸いにも転職1週間で、

それは実現しました。

2003年4月8日。

球団が北海道に移転する1年前です。

翌年から本拠地となる球場で

10試合の公式戦が開催されたシーズンで

その初戦でした。

  

私にとっては

1年9か月ぶりにアナウンサーに復帰して

初のスポーツ実況でもありました。

「ここに帰るんだ」と

「ここから始まるんだ」が入り混じった

何ともいえない感情が渦巻く中で

その日を迎えた記憶があります。

2004・4・8.jpg

   

解説はOBの広瀬哲朗さん(中央)と、

移転前唯一のリーグ優勝を含む

通算11季監督を務め

さらには球団専務なども歴任された

故・大沢啓二さん(右)。

球団史に名を遺す「親分」が

「北海道のために、ひと肌ぬぐぜ」と

馳せ参じてくださいました。

少年時代の憧れの野球人が

同じ空間にいるということで

「ああ、帰ってきたんだ」という感情が

ひときわ高ぶったのも覚えています。

  

あれから20年目の今年。

隣に座っていたのは鶴岡慎也さん。

2022放送席.jpg

あの中継をした年にプロ野球選手になった方。

この席から、そのプレーを長らく実況していた方が

巡り巡って放送の「同伴者」になる。

これもまた、憧れていた形です。

   

座るたびにあの日の

「初心」を思い出していた場所から見える光景は

やっぱり特別な煌めきを放っていました。

いつものように、幸せな時間が流れる場所でした。

  

試合後、一通のメールが届いていました。

名古屋時代お世話になった

スポーツ中継プロデューサーの方が

この日私が実況担当であることを知り

知り合いを通じて伝言を残してくれました。

「その歳でも実況できるなんていいじゃないか。

北海道に行って、よかったね」

心に沁みました。

   

この日の試合を含め

札幌ドームでのファイターズのレギュラーシーズン公式戦は

あと50試合。

来季からは北広島の新球場

「エスコンフィールド北海道」に舞台は変わります。

時は流れ、相応に年を取り

あのときと同じ感情が湧くかはわかりませんが

この場所で目に焼き付けた煌めく光景、

味わった幸せな時間の記憶を胸に

その時を迎えたいと思います。

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