夏の匂い
木々の緑の香りを含んだ
初夏の爽やかな風を「薫風」というように
夏は「匂い」をとともに味わう季節、
という印象があります。
自分だけの身体と心に記憶されている
「夏といえば、これだね」という匂いに
今年も出会えています。
まずは...
中学生バスケットボーラーたちの
体育館にこもった
汗と、熱気と、青春(いまふうにいうと、アオハル)の匂い。
毎年実況している、
「北海道中学校バスケットボール大会」の
会場で感じる匂いです。
先日、札幌支部大会の取材で吸い込んで
「今年も実況するんだなあ」と、
体の中のスイッチが入った気がします。
今年の全道大会は、来月上旬に帯広で開催。
そこでは、一段上質の匂いが待っていることでしょう。
続いては...
真夏日となった日の、札幌・宮の沢。
北海道コンサドーレ札幌の練習取材中にかいだ
照りつける太陽に、芝生が焼かれるような匂いです。
若手の頃、高校サッカーの取材でたっぷりかいだ匂いです。
高くて青い空と、包み込むような山の緑色。
そして逃げ場所のないスタンドへ容赦なく落ちてくる熱。
二の腕と顔が赤茶けたように日焼けし
ツートンカラーになった上半身を夜、鏡で見て、
「ああ、夏だねえ」とつぶやく。
これまた、若手の頃に繰り返した儀式。
五十路を迎えるとさすがに少々体には堪えるますが、
今だにこの体験ができることに、感謝です。
さらに...
先日、札幌競馬場のターフの上を
爽やかな風が吹き抜けるときの
まさしく「薫風」の心地よさ。
「TVh賞」の表彰式で
番組PRをさせてもらった際に体験しました。
これも過去に何度か味わっているが、
サッカー場とは対極の居心地のよさです。
夏競馬ならではの楽しみを
今年も感じられて、幸福でした。
ちなみに、隣の「らっぴぃ」は... 断言しますが、無臭です。
最近は「酷暑」の文字の通り、
悠雅に風情を楽しむようなレベルの暑さでは
なくなっているけれど
(北海道も決して例外ではない)
できるだけ心を豊かにしてくれる「夏の匂い」に
これからも出会いたいものです。