のびしろ
月曜日の
「ゆうがたサテライト道新ニュース」内でお送りしている
「スポーツチェック」のコーナーで
6月11日には
レバンガ北海道の折茂武彦・選手兼社長の
インタビューを放送した。
5月で48歳になり、もちろんB1リーグ最年長選手でありながら
2年連続全60試合に出場し、
今季は日本人チーム最多得点。
何より「ここで欲しい」という局面で
確実にシュートを決める勝負強さは、
リーグの中でも屈指。
「折茂が決めるとチームが勢いづく。
だから、相手のディフェンスは
チームの誰よりも厳しくいっている。
そこまで相手を本気にさせて
なおかつ決めてしまう47歳(当時)というところが
折茂の他の選手には代えられない価値」
シーズン中、あるリーグ関係者が言っていた言葉を思い出した。
「2シーズン休まず試合に出続けて、ケガもない。
やれる自信はある」
「選手・折茂」は、現役続行に意欲満々。
一方、「社長・折茂」は極めて冷静。
「アドバルーンをぶちあげるような
高い目標を掲げることは好きじゃない。
あくまで一歩一歩、できることを積み上げる」
この二面性こそが、「バスケット界のレジェンド」たる所以だ。
そして6月18日には
陸上競技・女子100mで急成長を遂げている
恵庭北高校2年生の
御家瀬緑(みかせ みどり)選手を紹介した。
高校入学時のベストタイムは12秒18。
インターハイにも出場していない。
(走り幅飛びと4×100mには出場)
ところが10月の愛媛国体(準決勝)で
11秒66の昨季の高校最高記録を樹立。
(決勝は11秒83=向かい風1.0mで優勝。走り幅飛びと2冠)
自己記録を大幅に更新し、
高校界を飛び越えて、一気に国内女子トップレベルに躍り出る。
そして6月13日の北海道高校陸上では、
11秒63の大会新記録で優勝。
五輪3大会出場の女子の第一人者、
福島千里選手(当時・帯広南商)が持っていた記録を
12年ぶりに更新。
現段階で、今季国内5位の記録。
気温11度、霧雨の降る条件、
更に今季2レース目で出した自己新記録は
「自信になった」と手ごたえを口にする。
中学には陸上部がなく、
セレクションを経て北海道ハイテクACジュニアに所属したが
活動は週末のみ。
福島千里を育てた名伯楽、中村宏之監督(恵庭北の監督でもある)が
「将来を見越して、じっくり」成長を見守った成果が
ここにきて急速に出始めている。
狙うは、2020年東京五輪。
本人も「ピークに持っていくのはそこ」と言い、
中村監督も「リレーメンバーには入ってくる可能性がある」と
成長曲線に期待を寄せる。
48歳と17歳。
完全に親子の年の差の二人には
共通項がある。
アスリートとして「もっと上を目指す」という
尽きることのない意欲と、
それを体現していくための探究心。
言い換えるなら「のびしろに、限界を設定しない」
それは、17歳を基準にしても、48歳は負けてない。
48歳を基準にしても、17歳はひけをとらない。
これが、スポーツの面白さ。
というより、人生の味わいというべきか。
こういうことを発見できることが
何より楽しい時間です。