北見にて
その日の北見は
さえぎるもののない青一色の空に
照りつける強い日差し。
大陸的なカラリとした暑さが心地よい。
「絶好のしゃべり日和だ」...と自分に言い聞かせ
会場へと歩みを進めました。
6月6日、北見市文化連盟からの依頼で
「北見市民大学講座」で
講演をしてきました。
「実況に携わるアナウンサーの視点から
スポーツ、あるいはスポーツ中継を
どのように味わえばより楽しめるのか」
そんなテーマで、話をさせていただきました。
「北見とスポーツ」といえば、これ。
カーリング女子のLS北見ですよね。
選手は全員、北見市常呂の出身で
地元企業や市民のサポートの中を受けて活動する
「地域に根差したチーム」として
平昌五輪で銅メダルを獲得したということで
北見の名は全国に知られました。
冬から春、そして夏のような陽気のこの日へと移ろっても
熱気の余韻はあちこちに残っています。
講演のテーマにふさわしい街だなあと
改めて感じました。
と思いながら会場につくと
妙な重圧を覚え始めました。
LS北見を通じて、生活の中にスポーツがある歓びを
つい最近、肌で感じている北見の方々に
それ以上に、スポーツの魅力について
印象に残る話ができるのだろうか、
などと考え始めてしまいました。
そんな高望みも背伸びをする必要もなく、
身の丈に合った話をすればいいし
するしかないでしょ。
思えば思うほど、変な汗が出てきます。
約90人の方の前で
午後6時からおよそ1時間半しゃべりましたが、
途中、額に汗しているのを自覚しました。
昼間の暑さが残っていたからか、
妙な重圧を打ち消そうとする内面の葛藤からか
今となってはわかりませんが、
会場を後にして、夜空を見上げながら
「ああ、汗かいたなあ」と、小さくつぶやきました。
あまりさわやかな汗とはいえませんが
事前の準備などと合わせ、
自分にとって学びの成果といえる汗だったと思っています。
機会をいただいた北見文化連盟の皆様、
ありがとうございました。