春風、疾風(はし)る
収録日は、3月30日でした。
プロ野球の開幕の日ということもあり、
ひときわ「春」を感じるその日。
温かく、さわやかな春風が走り抜けたような
そんな印象が収録後に残りました。
平昌五輪スピードスケートで
2つの金メダルを獲得した
髙木菜那選手へのインタビューを
4月4日の「ゆうがたサテライト道新ニュース」で
放送しました。
すでに国民的な有名人となっていますが
対面して話してみると
飾らず、小気味のいい話し方そのままの
画面で見ていたのと同じイメージの方でした。
「このメンバーで取る、と決めて
ずっと同じメンバーでやってきて取った金メダルなので
団体パシュートのメダルのほうが、少し思いが強いです」
「1か国2人の選手が出場するマススタートは、
2人で力を合わせて戦う競技。
準決勝で同僚の佐藤綾乃が転倒して
決勝は私一人で滑ったけど、
私の中では団体競技です」
「妹(美帆選手)と一緒にメダルを取りたいと思ったことは
一度もなかった。
お互いが自分の目標に向かっていく中で
同じチームにいたのが妹だった。
選手としてはリスペクトしているし、刺激にもなった。
いいチームメイトだった、という存在ですね」
など、印象的な話を番組では紹介しましたが、
この他にも、
「結果が出なかったソチ五輪の時との差は、
ひとことで言えば『覚悟』の差。
ソチのときは、正直、五輪に出ることが目標だった。
今回は、金メダルを取るための準備、練習を
ずっとしてきて迎えた五輪。
緊張はソチのときと同じくらいしたけど、
レース前までにやってきたことの
厚みが違った」
と話すときの眼差しの強さは、とても心に残っています。
以前、十勝とスケート競技との結びつきについて
特番制作に携わったことがありますが、
当時インタビューさせていただいた人たちの顔を
収録前日に思い浮かべました。
そこに暮らす人たちが
じっくり時間をかけて育んだ成果、という
そんな「地に足のついた強さ」が
今回のスピードスケートのメダルラッシュだったような
印象を持っています。
彼女たちを育んだ多くの人たちの温かな思いが
疾風となって、駆けぬけている―。
そんなイメージがよみがえる
心地よいインタビューでした。
これからのご活躍を、心より祈念します。
メダルに触っているように見えますが、恐れ多くて触れませんでした。
2つの金メダルが並んだのを肉眼で見たのは人生初。
それはそれは、まばゆいものでした