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まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

夢の伴走者たち

本州からは桜の便りが届き始める頃だが、

北海道はまだまだ「本気の」寒さがぶり返す日も。

ただ今年は、それを誇らしく思う。

「この寒さの中で、メダリストたちは育まれた」

そう、心から思えるからだ。

    

閉幕して2週間近く経つが

今なお感動の余韻が残る、平昌五輪。

冬季五輪史上最多の

13個のメダルのうち6個は、北海道出身者だ。

日本の躍進をけん引したのは、

まぎれもなく、この地の雪と氷に育まれたアスリートたちだ。

   

ただ、少し時間がたったからこそ

彼の地に立つことはなく

この躍進を支えた

北海道出身のこの人たちもことも、

心に留めておきたい。

   

スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した

小平奈緒選手を

「サポートスタッフ」として

栄養管理やメンタル面の支えたのが、

過去、このブログでも紹介した

中札内村出身の元スピードスケート選手、

石澤志穂さん。

石澤さん現役②-2.jpg

お祝いと労いのメールを送ると

こんな返信をいただいた。

「私のサポートは微々たるものですが、

彼女の夢や目標に

少しでも寄り添う事ができて本当に嬉しく思います。

スピードスケートの発展のためにも

これからも精進して参ります」

  

「寄り添う」という柔らかな日本語に

ここまでの時間の尊さが伝わってきた。

  

日本カーリング史上初のメダルを獲得した

女子カーリングのLS北見には

2010年、本橋麻里選手がチームを立ち上げたとき、

今のメンバーにはいない2人の選手がいた。

馬渕恵さんと

馬渕①.jpg

江田茜さん。

江田①.jpg

7年前、彼女たちを取材した。

「生活の中にカーリングを据えた上で、頂点を目指すトップチーム」

という理想を掲げ

ゼロから立ち上げて、まだ1年あまり。

初代LS北見.jpg

馬渕さんは看師、江田さんは菓子職人と両立させながら

馬渕②.jpg江田②.jpg

喜びと困難を、分け合い続けた。

そんな2人のことを、本橋選手は

「チームを離れた今でも、メンバーだと思っている」と

平昌に向かう際、こう明言したという。

8年という時間軸で見れば、

それぐらいの価値を持つ存在である二人を

取材できたことを、誇りに思う。

  

大きな夢に向かって走る人の傍らで

上り坂も、下り坂も、一緒に走る、伴走者がいる。

フィニッシュテープを切ることはなくとも

走った足跡は、必ずどこかに刻まれている。

その価値に目を向けられる自分でありたいと

改めて胸に刻んだ冬となった。