びぃるのきせつ
高校生までは
「部活だあ...部活」ってつぶいやいていた
夏休みの入口。
メンバーで一番ベストタイムが遅く、
そのくせケガはしたことのない、
ゆえにサボることのできない
へなちょこ陸上部員にとって、
ちょっぴり憂鬱な気持ちがこもっていた。
大人になってからは
「ビールがうまい季節だよなあ」を
相当な頻度で口をついている。
「北海道中学校バスケットボール大会」の実況に向け
札幌地区大会の取材をして数日後。
「スイッチン!」の中継で
札幌パルコ屋上で現在開催中の
「タイ屋台メシビアガーデン」へ。
もちろん、仕事です。
番組をご覧の皆様に
ビアガーデンの魅力を感じていただくために
全力でお伝えするのが私どもの務めです。
ゆえに、キンキンに冷えた生ビールは
のどをしっかり鳴らし、
ジョッキを口から離したら、
腹の奥のほうから「アゥウー!」とうなる。
これも、私どもの大事な務めなのです。
タイ屋台メシが売りなので、
スタッフおすすめのタイの焼き鳥
「若鶏ガイヤーン」も正しくかぶりつき、
ハーブの効いた皮のうまみと
肉の味わいを堪能しながら、
ビールとの相性を確認する。
これも、大事な務めなのです。
今年からタイ料理のみならず、
シンガポールや台湾の料理も提供されるということなので、
シンガポールのチキンライス、
海南鶏飯(ハイナンジーファン)の
さっぱりとした茹で鶏の食感と
ビールの相性を確認し、
台湾で定番の煮込み豚肉かけ飯、
魯肉飯(ルーローハン)を
豚煮込み→ビール→汁のしみ込んだご飯
のローテーションで楽しむと、
食事にも酒の肴にもなることを
身をもってお伝えする。
これも、大事な務めなのです。
そして、番組終盤のお天気コーナーの背景に
もう一度中継が来るということなので、
「先ほど『ビールが進む』と言っているので、
1杯目がまだ残っているのもおかしいですよね。
2杯目を飲んでいるという背景にしましょう」
というスタッフの提案もあり、
2杯目のビールのうまさを表現させていただきました。
これも、大事な務めです。
務めを終えて、改めて思うのは、
やっぱりビールは、仕事を終えて、
すなわち、公的な自分の枠から解放されて
「きょうも一日、お疲れさん」と、
心から言える状況で楽しむもの。
この一杯のために、一日を頑張るのか、
一日を頑張った先に、この一杯が待っているかは
どちらでもよいとして、
そういう関係が、一番幸福だと思います。
本日の一杯が、
多くの皆さんの、明日の活力になりますように。
そう思える一日を、きょうも過ごせますように。
そんな気持ちを込めて、
本日は務めを果たさせていただきました。
あしたに、乾杯。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
今回の文章は、
前の記事の「続編」として読んでいただく
仕掛けとなっております。