tvhテレビ北海道

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まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

贅沢な一日~はじまり、終わり、久しぶり、改まり~

誰しも、年に一度くらいは
そんな日はある。
ほかの人にとっては
普段と何も変わらない一日、
特別なこともなく過ぎていく日常、
でも、自分にとっては、
大きな山場となる、特別な一日。
「その一日を『贅沢だ』と思える人は、
この仕事に向いているよ」と
かつて、先輩に言われたことがある。
今、ここで言いたい
「いやぁー先輩、贅沢でしたよぉー!」

3月26日、土曜日。
この日開業の北海道新幹線、
その一番列車の出発に合わせ、
朝6時30分から生放送の特別番組、
「体感live 新幹線1番列車」のスタジオMCから
1日は始まった。
新幹線特番.jpg

鉄道好きでも知られる
北海道大学経済学部長・吉見宏教授とともに
1番列車が動き出した歴史的瞬間を目にして、
正直、思いもかけなかった特別な感慨が湧いた。
放送に入る直前に、吉見先生が
「ここに至るまでに、たくさんの人が関わってますからね。
その中には、お亡くなりになってしまっている方も少なくない。
そういう方に、この瞬間は見せたかったなあ」
とつぶやいたことが、その要因だったかも知れない。
顔も名前も知らないけれど、
自分以上に「特別な1日」にしたかった、
でもそれが叶わなかった人がたくさんいた。
そう思った瞬間、
この贅沢な時間に臨めた幸運に、感謝。

その2時間後。
2年半担当した情報番組、
「Do!ろーかる」の最終回の、これまた生放送。
Do!ろーかる最終回①.jpg

2年半、日常であった風景、
あるのが当たり前だった風景が、
もう戻れない風景に変わる時間と向き合う。
「始まり」を見届けた、さっきの生放送とは対照的な
「終わり」の当事者になるひととき。
ほんの数時間で、こんな正反対の感覚を味わうなんて、
これもまた「贅沢」。

Do!ろーかる最終回②.jpg

何も予定が書かれていない控え室のホワイトボードを見たときは、ちょっと切なくなった。

ホワイトボード.jpg

皆と笑顔で別れて、数時間後。
札幌ドームでのコンサドーレ戦中継。
ナビゲーターの千葉アナのとなりで、
情報を伝えたりする「サブアナ」を担当。
放送にはひとことも言葉は乗らないが、
目と頭は、まるまる1試合分実況の感覚で、
メモと身振り手振りで、しゃべり手をサポートするこの仕事は、
実は若い頃からとてもやりがいを感じている。
ただ、あまりに久しぶりすぎて、
(サッカー中継では多分20年ぶりぐらい)
自分でも気がつかない無駄な力みがあったかも。
放送が終わったときは、
プールから上がったときのような虚脱感が身体を包んでいた。
これもまた、贅沢。

サブアナ.jpg

そこから2時間後。
夕方の「TVh道新ニュース」が、1日の締めくくり。
ニュースを伝えるという、究極の「日常業務」ではあるが、
それまでに3つの「非日常」の仕事をしてきたことで、
逆に、愛おしく感じられる。
当たり前のように、自分の前にある仕事。
それが実は、すべてにつながっている。
改めてそう感じられるのも、贅沢。

ニュース.jpg

かくて、濃密な1日は終わった。

4つの仕事の過程で残った
台本、メモ書き、原稿たちは、
この贅沢な1日を心に刻む、大事な宝物。
みんな、ありがとう。
君たちとともに過ごした3月26日を、
忘れないよ。

 原稿たち.jpg