2019年への、ファーストスクラム
北海道の一面の白い景色が、そうさせるのではないだろう。
緑の芝の上で繰り広げられた
男たちの熱いドラマが
一度きりの放送のスペシャルであったかのように
過去の熱情として記憶されてしまっているような空気を感じて
じりじりとした気分になってしまう。
決して、単作じゃない。
2019年までは間違いなく続く、連続ドラマでなければならない。
「ラグビーワールドカップ・2019年日本大会」のその日まで。
当時、押さえきれずカミングアウトしたので、
https://www.tv-hokkaido.co.jp/announcer/daito/2015/10/post-105.html
今回は一人の「ラグビーファン」として堂々と
1月28日に札幌で行われた
ある講演会を聴きに行ってきた。
タイトルはこちら。
胸躍るタイトルである。
講師は、明治大学ラグビー部の丹羽政彦監督(羽幌高出身)と
札幌山の手高校ラグビー部の佐藤幹夫監督。
丹羽監督は大学ラグビーが人気の頂点にあった
私の大学時代のスタープレーヤー。
日本代表でもエースウイングだった吉田義人と
左右のウイングを形成し、満員の国立を疾走していた。
その時の観客の一人に、同学年の私もいた。
3年前に明治の監督に就任し、
今季、対抗戦で優勝、大学選手権ベスト4。
紫紺のジャージを復活の道程へ乗せた人物。
佐藤監督は、
札幌山の手高を15年連続花園出場の名門校へ引き上げた名伯楽であり、
今回のW杯で日本代表の主将を務めた
リーチマイケル選手の恩師。
15歳の来日当時、身長178センチ、体重70キロの細身の少年に、
「ジャパンのキャプテン」への道すじを作った人物だ。
丹羽監督からは、
2019年の日本でのワールドカップは
どんなイベントで、どんなことが期待され、これから何をしていくべきか
そして札幌ドームが既に試合会場に選ばれていることを受け、
北海道に何が期待されているか、などの話があった。
アジアで初めて開催される
サッカーワールドカップ、オリンピックと並ぶ「世界三大スポーツイベント」、
ラグビーワールドカップ。
世界中でのべ40億人が視聴し、40万人が開催国に訪れ、
19年大会の経済効果は4200億円と試算されているビッグイベント。
各会場の試合カードは、スタジアムの収容人員で決まるそうなのだが、
4万人以上を収容する札幌ドームは、
ティア1と呼ばれる、世界トップ10の国の試合が実施可能で、
さらに、9月の暑い時期の大会にあって
空調の効いた屋内会場であるという利点から、
日本戦や準々決勝クラスの、相当な注目度のカードも期待できるそうだ。
さらに、事前キャンプの誘致による地域活性化や、
大会期間が2か月近いとう長期開催であることから、
世界中から来日するファンの滞在型観光への期待など、
北海道にも様々な効果をもたらす大会であるという話だった。
佐藤監督が語ったのは、
去年のW杯で日本代表を観戦、応援するため滞在した
イングランドでの体験談。
アメリカ戦試合当日でありながら宿舎に招かれ、
リーチ主将とお茶を飲んだ話には、
リラックスと緊張感のスイッチの切り替えができていた
その時の日本代表の充実した空気が伝わってきた。
同時に、リーチ主将のみならず、
エディージョーンズHC(当時)や、多くの桜の戦士たちに慕われている
佐藤監督の人柄もよく伝わってきた。
講演後、挨拶させていただきたところ、
丹羽監督から
「北海道でのラグビーの認知度を上げ、
北海道の人にラグビーの魅力を
もっと草の根的に知ってもらうためには
テレビの力は大事ですよ」
と言うお声をいただいた。
そう、我々も、ともにスクラムを組むメンバーであるべきだし、
そうありたいと心から思う。
講演の最後に会場に流された
リーチマイケル選手からのビデオメッセージが、心に染みた。
「2019年は、日本がただ強いだけではなく、
日本がラグビーで
何を伝えることができるかが大切になると思います」
我々も、伝える側であるはずだ。
いざ、ファーストスクラムを。