Occhan(おっちゃん) Be Ambitious!
11月の積雪としては約60年ぶりという
40センチ余りの大雪を踏みしめて向かったのは
「北海道大学医学部 学友会館」。
学友、ここに集う...
わけではない。残念ながら学友でもない。
初めて入ったその建物の中で
今月26日に開催されたのは
「北海道大学病院スポーツ医学診療センター市民講座」。
3年前に始まり、4回目の今回は
北海道日本ハムファイターズとの共催で、
「スポーツ現場から学ぶ選手へのアプローチ」
をテーマに行われた。
こうした機会でなければなかなか聞けない
現場の深みのある話に期待を膨らませ、
入場無料の気軽さも手伝い、
卒業生になったような気分で、
悠然と、肩で風を切ってキャンパスに足を踏み入れた。
講座は3部構成。
第1部は「スポーツ現場での応急処置」について
北大病院の方のワンポイントレクチャーのあと
ファイターズの石黒好光、福島芳宏トレーナーが登場し
足首をねんざしたときのアイシングを実演。
普段取材していても、お目にかかれそうでかかれない光景だ。
第2部は、ファイターズの
中垣征一郎トレーニングコーチの講演。
ダルビッシュ投手が
「球界のスーパーエース」に進化する過程に深く関わり、
メジャー移籍1年目は専属トレーナーを務めた。
野球だけでなく、ラグビーなど、
様々なスポーツの最前線で、アスリートをサポートしてきた
まさにトレーニングのエキスパート。
そんな中垣コーチの講演タイトルは
「エリートアスリートの育成―育つのか、育てるのか」
印象に残ったキーワードは
「トレーニングのポイント『意志』」と『「意識」」、
「プロ野球選手の成長過程には『落とし穴』がある」
詳細は、参加した人間の特権として胸にしまっておき
今後、選手への取材や実況で、生かすことにしよう。
第3部は、
木田優夫・GM補佐による特別講演。
講演タイトルは「プロ野球選手に必要なこと」。
日米のプロ、そして独立リーグと合わせ、
28年の長きに渡り
現役生活を送った方の話なので
説得力が尋常ではない。
しかも、テレビ出演歴も長いので
ここぞというところできっちり笑いを取る
トーク術を発揮。
「さすが」とうならせる手練を見せた。
これまた印象に残った話をキーワードで表現すると
「プロで長くやってきた秘訣は『運』のおかげ。
ただし、勝てた、打てたではなく、
『出逢えた』『学べた』の運」、
「ボールを投げるとは、ボールを操ること。
いいボールを投げるためには、いい操り方をする」
詳しい中身は、これまた、いつかの機会に。
高校時代、憧れの大学の一つだった北大。
大学生として学ぶ縁には恵まれなかったが、
30年の歳月を経て、
ちょっとだけ、「学び」を体験できた。
ただ、講演を聞いただけなのだが、なんとなく誇らしい気分。
湿った雪を踏みしめての帰路、
「Boys、Be Ambitious!」とつぶやきそうになって、
「いやいや、Boyじゃないだろ」と自分につっこみを入れ、
「Occhan(おっちゃん) Be Ambitious!」と言い換えた。
そうそう。
今より一歩前に進むことを止めないことと、
そのために学ぶ姿勢は、
年齢に関係なく、持ち続けないと。
思いを新たにした経験だった。