14番目の山
近々、新たな競技の実況をすることになり
とりあえず、図書館で本を借りました。
棚を見渡しながら「ボウリング」の5文字が見えた瞬間、
手に取り、カウンターに行きました。
掲載されている写真やイラストを見て、
40年近く前の記憶が蘇りました。
まだ、「高度成長期」という言葉の名残が
自分の周りに残っていた時代、
近所にあったボウリング場は
小さな田舎町にあって、
ひときわ光輝く存在の施設でした。
最初は家族そろって、
少し大きくなると男友達同士で、
そして中学生ぐらいになると、
ちょっと甘酸っぱい思い出を作りたいと
クラスの女の子を巻き込んで出かけた、
あのころの感覚です。
手軽なレジャーとしての記憶は
そんなノスタルジックなものですが
ただ、競技としてのボウリングは、
もっと違う、奥の深さがあるはず。
そう思ったときに、胸の奥に高揚感が湧いた自分に
ちょっとホッとしました。
どうやらこの歳になっても、
既存の仕事を踏襲して、積み上げるだけでなく
新しい分野を開拓することに、ドキドキできる。
それは、幸福なことだと思います。
まだ登ったことにない山を見て
「あそこを目指してみよう」
と思う時の感覚に似ているかも知れません。
これで、実況と言う形で関わるスポーツは
14競技目。
どの山も、途中で目にする景色は違うのですが
心に残る、鮮やかな景色です。
そして実況当日に
どんな景色を目にすることができるのか、
それを想像しながら登っている感覚がまた
緊張もしますが、心をくすぐります。
14峰目は、まだまだ登山準備を始めた程度で
1合目にも到達していないところですが、
とてもさわやかな景色に出逢えそうな予感がしています。