tvhテレビ北海道

番組表番組表

まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

ことばの未来を担う、きみたちへ①~読み聞かせ編~

自分が発することばを使って、

自分の、あるいは誰かの思いを届ける―

そんな当たり前のはずの、

でも、当たり前すぎて忘れがちな

楽しさや、幸せを知るきっかけづくりを

ささやかながらお手伝いしたい。

ことばを生業とする立場として思っていたところ

ふとしたご縁から、あるお話をいただきました。

 

TVhのお隣にある

中央小学校から

子どもたちに絵本の読み方を指導して欲しいという

お話をいただいたのです。

ミニ児童会館で

ご近所の方たち向けのお祭りの催しの一つとして

「読み聞かせ会」を行うことになったといいます。

 

 

これまで、中央小の子どもたちには

何度か同様の指導をした経験があります。

https://www.tv-hokkaido.co.jp/announcer/daito/2011/09/post-33.html

https://www.tv-hokkaido.co.jp/announcer/daito/2010/09/post-21.html

 

久しぶりに訪れた教室。

待っていたのは3、4年生の6人。

 

1221blog1.jpg

みな、自分たちから読み聞かせへの参加を

希望したそうです。

「伝える魅力」が芽吹いている子たちに

一つでも、新たなきっかけを知ってもらおう。

そう思わせる、輝いた眼をしていました。

 

選んだ絵本は

「ターちゃんのてぶくろ」(おおしま たえこ著)の

DVD版「動く絵本」(チルビー社)。

  

 1221blog3.jpg

すでに何度か練習をしていて

しっかりと内容をとらえている読み方ができていました。

 1221blog4.jpg

あと一歩、前に進んで欲しい。

何を言おうかが頭の中を駆け巡り、

思わず出たのが

「ことばに、色をつけてみよう」

   

     1221blog7.jpg  

しまった、と思いました。

 

抑揚、速度、声の高低に

もう少しメリハリをつけて欲しいという意味だったのですが、

子どもへの指導の表現としては、抽象的すぎる。

彼女たちの頭の中が混乱してしまうのでは、

せっかく浮かびつつある自分たちのイメージが

崩れてしまうのでは、と思いました。

   

 

そんな大人の狭い発想を、

子どもたちの可能性は、

悠々飛び越えていきました。

本当に「色がついて」いたのです。

みるみるうちに、登場人物に

物語に入り込んでいくのが

手に取るように伝わってきます。

1221blog5.jpg

担当の先生も、目を見張っています。

 

ともにした時間は1時間ほどでしたが

スポンジのように、目には見えない「感性」を吸収し、

自分のものにしていく姿に

こちらの心が大きく動いた1時間でした。

 

    1221blog6.jpg

 

その後の練習について、報告をいただきました。

仲間同士で

「こんな言いかたはどうかな?」

「ここはもう少し、ゆっくり言ってみたら?」と

話し合いをしながら進めていたそうです。

伝える側と、伝わる側、

両方のアンテナを伸ばしながらの練習。

とても素敵なやりかたをしてくれていると思いました。

 

ことばに「色」があること。

色を、相手に伝えること。

その経験を、未来の自分に、生かしてほしいと願います。

みんな、発表会、楽しんでね。