穏やかな春に似たりし「読み聞かせ」
札幌の春は一歩ずつ、
ときには半歩ずつ近づくものだと思っていたら、
このところ2、3段抜きで階段を駆け上がるような陽気。
そんな中、最近はおじさんの
「こころの春」と位置付けている「読み聞かせ」に
また参加してきました。
これまで通り、
動く絵本の「チルビー」さんと一緒の実施なのですが、
今回は初めて一緒に仕事をする方々が。
酪農学園大学の仲間たちで結成され
札幌で活動している4人組のバンド
「ウェッジソール」の皆さん。
バンドのメンバーと一緒に時間を過ごすなんて
何年ぶりだろう。
年齢的にも日々の時間の過ごし方という点でも
会話の糸口を探すのに戸惑いながら、セッティング。
今回お邪魔したのは
西区にある「インターナショナル山の手幼稚園」。
2月のお誕生会イベントに加えていただきました。
このところ司会のチルビーの方の
「悪ノリ」としてすっかり定着した
「しんじおにいさん」という紹介は、今回はなく、
「だいとうさん」という"普通の"言われ方で登場。
いやいや、なんと肩の荷の軽いことか。
「ごろりん ごろん ころろろろ」
(香山美子 作・柿本幸造 絵)
を読んだのですが、
家にもある絵本で、何度も読んでいるので
これまた肩が軽い。
働き者のうさぎさん、
気持ちの優しい、ろば、きつね、くま、そしてりす。
悪い登場人物が誰もいないお話。
これで口元も軽くなる。
みんなキラキラとした目で画面を見つめ、
おじさんのちょっとした声色の変化に
「へへへっ」と軽い笑いが漏れる。
こういう空気は、うれしいんですよ。
どんどん身体が軽くなり
ふわふわした気持ちの中、終了。
楽屋にいったん戻ると、
入れ替わりでウェッジソールのステージ開始。
「リズム遊び」で子どもたちの心をつかんだあとは
「ごめんなさい」と「ありがとう」
という曲が披露されました。
「ありがとう」はチルビーさんのオリジナルソングなのですが、
こういうシンプルな歌は
こうした機会がないとなかなか耳にしないなあと
どっぷり大人の理屈で生きている
苦みを感じながら拝聴。
とても大事な、メッセージのこもった曲でした。
最後に全員が再登場したところで
お礼の挨拶が。
「インターナショナル」な幼稚園なのでもちろん
声をそろえての
「Thank you very much!」
でしたが、
「Thank you very much,too!」
と軽く返すことすらできず、
日本人らしい愛想笑いで手を振る自分に
またまた苦い思いが。
でもこんなちょっとした苦味は
上質の珈琲を飲んだ時の快感にも似て、
ここにいた1時間半あまりの心地よさを
濁すものではなかったですよ。
本日は4月並みの陽気でしたが、
それ以上の温かみをいただいた時間でした。
写真撮影のお手伝いまでしていただいた先生はじめ
インターナショナル山の手幼稚園のみなさん
ありがとうございました。