tvhテレビ北海道

番組表番組表

まだ、しゃべるんですかぁ〜!?

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

大藤 晋司 アナウンサー

出身地
茨城県高萩市
入社
2003年4月

教えることは、学ぶこと

個人的に毎回、とても楽しく(ちょっとスリリングに)

関わらせていただいている「読み聞かせ」の活動がきっかけで、

新たな経験をさせてもらう機会をいただきました。

 

地域の子どもたちの学びや遊びの場として運営されている

児童会館という施設が、各所にあります。

Vhのお隣にある中央小学校のミニ児童会館の皆さんが、

中央区内の児童会館の合同行事で「絵本の朗読」をすることになり、

その指導をさせていただいたのです。

 DSCF6486.JPG

「絵本の朗読」を、自分が行うのではなく

ひとに教える、

しかも、小学生に。

けっこう、深い仕事です。

 

題材は香山義子さん作・画の

「どうぞのいす」。

読み聞かせで一緒に活動することも多い

チルビーの「動く絵本」を使い

登場する動物たちやナレーターの役を決め、

それぞれのパートをDVDに合わせて朗読します。

DSCF6492.JPG

 

頭の中をいろいろなアイデアが駆け巡りましたが、

最初に子どもたちに最初に言ったことばは

「正解とか不正解はないからね」

でした。

 DSCF6491.JPG

「よりよく読む」ための技術や、法則性はもちろんあって

ある程度はかみ砕いて伝えはしましたが、

そうした技術の習得のみに走って欲しくないと思っていました。

 DSCF6498.JPG

「私が伝えたいこと、わかってもらえたかなぁ」

「こういうことがいいたかったの?

こういうふうに私は感じたけど」

「じゃあ、こういうふうに言ってみるね」

 

こうしたことを繰り返しながら

「相手の反応を感じ取る」

「声を出して、人に"思い"を伝える」

そして、「思いが伝わったときの喜び」を

体験する。

 

そこから

「口から出る"音"の良し悪しではなく、

生身の人間が持つ

『伝えたいというエネルギー』を

身体全体で発すること」の楽しさを

何より感じて欲しいと思ったのです。

 

DSCF6489.JPG

こうしたことは、

朗読のみならず、

ことばを使ってのコミュニケーションすべての基本となることであり、

大人になってから改めて身につけようとしても

なかなか難しいことですから。

 

当日までに2回、指導したのですが、

みんなの声や話し方だけでなく

表情が変わっていく様子を

見ることができました。

 

登場人物がうれしいときには

うれしい顔を。

悩んでいるときは、悩んでいる顔を。

気恥ずかしさを取り払って

感情に合わせた表情をすることで

明らかに言葉にも「体温」や「感情」が

湧いてきたのを感じました。

 DSCF6485.JPG

サッポロファクトリーで行われた

本番には立ち会えなかったのですが、

いただいた写真を見る限り、

「読むことを身体全体で楽しむ」

そんな雰囲気は伝わってきます。

 DSCF0281.JPG

無限の未来を持つ子どもたちに

どんな可能性の"種"を蒔くか。

教えることは本当に難しい。

そして何より、自らの学びにつながることを

実感しました。

 

中央小ミニ児童会館の皆さん、

おじさんによい学びのプレゼントを

ありがとうございました。